睡眠時間をたっぷり確保したはずなのに朝起きると寝不足を感じる。誰もが経験する問題の原因に睡眠と体温の密接な関係がある事をご存知でしょうか?
しっかり疲れを癒し毎日を健康的に活動できるよう、睡眠の質を向上させるためのテクニックと最新の研究結果をご紹介していきます。
睡眠と体温の関係をわかりやすく解説
日常的に睡眠中の体温を気にする方や、夜間の体温を測定した事のある方は少ないかと思います。ですが「夜中に暑くて布団を剥いでしまう事があるから…体温は上がってる!」「子供やパートナーと寝ていると体温が上がっていた!」という経験のある方は、もう答えを出しているのではないでしょうか。
では正解は「睡眠中は体温が上がる」でしょうか?実はこれは間違いなんです。
入眠時から眠りが深くなるほど体温は下がっていく
ヒトの体温調整と睡眠の関係がわかるよう簡単なグラフを用意しました。日本大学医学部精神医学系 内山真主任教授の発表によると、ヒトのような昼行性動物は夜間には脳を含んだ全身を休息状態にするため体内の酸素反応を不活性化するため体温が下がるメカニズムになっているとされています。
21〜22時にかけて体温が上昇しているのは、その後の睡眠時の体温を下げるため体温を発散する目的とされています。つまり、多くの人が「寝てる時は体温が上がる」と誤解している原因はこの「体温を発散させるための一時的な上昇」であると考えられます。
睡眠時の体温調整を妨げると脳もカラダも休まらない
カラダを冷やしすぎては風邪など不調の原因になりますが、闇雲に温めればいいという事ではありません。前述のようにヒトのカラダは睡眠時には適度に体温を下げることで安まるよう作られています。寝苦しい夏場には体温を下げやすい室温調整や通気性のいい寝具を選ぶ必要があります。また、冬場にはエアコンの温度を高く設定したまま寝ない、電気毛布をつけっぱなしで寝ないといった注意が必要です。
ぐっすり眠り、翌日すっきり目覚めるための対策
睡眠時に直接関係している室温や寝具の見直しを試してみましょう。同時にお風呂に入る時間や、筋トレやジョギングなどの運動も時間帯を見直してみるべきです。どちらも体温を上げる行為ですので、あまりに寝る直前では体温を下げきれないまま眠りにつく事になってしまいます。
- お風呂は睡眠の2〜3時間前までに済ませておく
- トレーニングなどは睡眠3〜4時間前までに終わらせる
- パジャマや寝具は体温調整を妨げないものを季節ごとに使用する
- エアコン等はタイマーを使い自然な体温の推移をサポートできるよう設定
この4つの方法をから対策してみてください。
辛い不眠症や日中の不調を解消するために
厚生労働省の発表によると睡眠障害と診断される人は国内で3,000万人以上いるとされています。本当に軽度な睡眠不足でさえ翌日の集中力やパフォーマンスは低下し、ココロとカラダにストレスを与えてしまいます。健康的な毎日を送るために、今日からできる対策として睡眠時の体温調整にチャレンジしてみてください。
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